初めての救急外来

 先週の土曜日、外出中に突然、体調が悪くなった。最初は右手に力が入らなくなり、そのうち右足も同じようになってきた。そして次第に吐き気も感じるようになり、そこから一歩も歩けなくなってしまったのだ。幸い、1人ではなかったので、タクシーを拾ってもらうようお願いし、救急外来へ。

 過去にワタシが担当していた患者さんの多くは、脳血管障害(脳梗塞脳出血など)を発症し、その発症時の様子と似ていたので、余計に不安が募った。”手足に麻痺が出てきたらどうしよう?””このまま失語症になってしまうかも。何か伝えておかなくては”。でも何か話そうとすると吐きそうで、とにかく深呼吸して落ち着こう、落ち着こうと自分に言い聞かせるのが精一杯だった。

 CTとMRIを撮ってもらい、脳外科の医師にきちんと診てもらった。明らかな麻痺はなく、検査上問題なかったが、過去にも同様の症状が出たことがあること、近々別の病気で入院・手術の予定があるため、念のため、近いうちに心臓の検査も受けることになった。         到着後は歩けず、ずっと車椅子に乗って移動した。そして横になっているうちに次第に治まってきて、帰りは何事もなかったように帰宅した。その後も特に変わりはなく、あれは一体何だったんだろう?と、今となっては思う。

 それにしても救急外来に来る患者さんの多さにビックリした。子供を抱えて心配そうなお母さん・「痛いー」と泣いているおばあさん・そのまま入院となり、慌てふためいている家族・・・etc。目の回るような忙しさの中、医師も看護師もテキパキと仕事をこなしており、このような人々のおかげで、日本の医療は支えられているんだなぁと、あらためて思った。

 今回は、良い偶然が重なったことにも助けられた。1人ではなかったこと・タクシーの運転手さんが、きちんとした救急外来先を知っていて、運んでくれたこと(ワタシにとっては、全く土地勘がないところだった)・脳外科医がいたこと等々。                            付き添いで、救急外来に行ったことはあったけど、まさか自分が行くことになるとは夢にも思わなかった。具合が悪くなる直前まで、何の異常も感じなかったし。健康のありがたさを痛感した週末だった。