納沙布岬の鉄砲汁を求めて

見た目は美味しそうだけど

 宅配の注文欄を見ていたら、ある商品に目がとまった。それは鉄砲汁用の花咲ガニの冷凍。鉄砲汁とは、カニが入った味噌汁のことで、カニの足を箸でつついて食べる姿が、鉄砲の掃除をしているのに似ているから、このような名前がついたらしい。

 ワタシと鉄砲汁との出会いは、15年ほど前。大学のサイクリング同好会の合宿で納沙布岬に行き(と言っても、みんな軟弱だったから、宿にチャリを置いて、バスで行ったんだけど)、そこで食べた花咲ガニの鉄砲汁が実に美味しく(たしか値段も1杯100円くらいと、超リーズナブルだった気がする)、ぜひもう一度食べてみたいと思っていたのだ!

 きっと美味しいに違いないと、2袋もお買い上げ。2回楽しめるようにとまずは1袋、レシピどおりに作ってみた。火の通った花咲ガニの、なんときれいな紅い色!味噌汁の海に花が咲いたよう♪さぁて、お味見お味見・・・。がしかーし、ちっともカニの出汁がきいておらず、いつもの味噌汁の味。ワタシが恋焦がれた(ちとオーバーか)、あの納沙布岬の味とは、全っ然違ーう!

 カニの身を入れれば、納沙布岬の味になるかも・・・と思い、中身を出して入れてみたけど、多少カニの味がついた程度。そこでカニだけ食べてみたところ、このカニ自体に味わいがない。むぅー、こりゃあ美味しい出汁も出ないはずだわと納得。そして、がっかり・・・。

 もう15年も前のことだから、美味しさを美化しすぎて、期待しすぎちゃったのかなぁ?それとも、今回使用したのがたまたま美味しくなかっただけ?お盆の頃だったというのに寒くて寒くて、鉄砲汁に体が温まった、あの夏を思い出す。あー、もう一度現地で食べたいなぁ、鉄砲汁。